ポータブルモニター デスクトップユーザー必携の拡張ボード1点(SUNIX UPA2015)

クリエイター、プロブラマーの間でホットなモバイルモニター

昨今、モバイルモニター(ポータブルモニター)と呼ばれる、液晶または有機ELスクリーンの小型のモニターがホットです。13インチから16インチの小型サイズで、スタンドがなくタブレットのように画面だけのモニターで、入力はHDMIやサンダーボルトケーブル(USB Type-C)を使い2Kから4K解像度、色域はHDRに対応したもの、さらにタッチ機能、ペンタブレット機能に対応したものがあります。これらは単体でも動作しますが、大きさと、コンパクトさからデスクトップやノートPCのセカンドモニターとしての使い道が意外に便利だと評判です。

かつてはセカンドモニターはメインのモニターの右や左にスタンドやアームを使って作業領域を2倍に広げるような配置が一般的でした。一方でモバイルモニターとの組み合わせは、メインモニターは大きく取り、セカンドモニターは控えめな補助的な位置に立ち回るという別の観点での使い方になります。

モバイルモニターの配置にもいろいろ工夫がありますが、今ベストだと感じるのがメインモニターの下、キーボードとの間に低くした置き方です。特にペン入力との相性が抜群で、オンラインミーティング中に、ペンで添削したり、キャプチャーにメモを書いて会議中に掲示するといったこともできます。

モバイルモニターはケーブル地獄に落ちる

今回の本題はここからです。モバイモニターはそれ自身電源がないため、USBの電源を当てにするも高輝度な画面の明るさを維持するには不十分で場合により電源のためにUSBケーブルをもう一方繋がなければならないことがあります。また、タッチ機能に対応した場合データ接続としてのUSB接続が必要、結果としてモニターにつながるケーブルはHDMI接続だと

  • HDMIケーブル
  • USBケーブル(タッチスクリーン用)
  • USBケーブル(電源用)

のように3本がひしめき合うことに。この事態はMacやノートPCからThunderboltで接続する場合はケーブル1本で済むことになるんですが、デスクトップPCの場合にケーブルの本数を減らすことができるのか?

グラフィック用の信号とUSB信号を混合して流す技術に Thunderbolt の DisplayPort Alternate Mode(DP Alt Mode)というものがあります。スマホのUSB-CからテレビにHDMI接続する場合、ノートPCのセカンドモニターとして USB-Cケーブル接続する場合も同じ技術です。

しかし一般にデスクトップPCの場合 DP Alt Mode を持った USB-C 端子を持ったものは未だ多くありません。

デスクトップPCで DisplayPort Alternate Mode を実現する方法

0 DisplayPort → USB-C 変換ケーブル

Amazonでもたくさんのモデルがあり入手しやすいです。が、今回の目的のためにはこのケーブルは意味がありません。DisplayPortからはモニター用の電源(電力)を確保することができません、またタッチスクリーンのためのUSB信号線を確保することができません。結果としてケーブルの本数を減らすことができません。

1 USB-A + DisplayPort 混合ケーブルを使用する

Amazonでは1つか2つのモデルしか見当たらない珍しい製品です。このケーブルを使えば、USBの信号線とDisplayPortのモニター用信号を1本にまとめることができます。ただし、電源はUSB-Aから弱いものに頼ることになるのでやはり場合よって電源用のケーブルは必要になるかもしれません。ここでケーブルは3本から2本に減りました。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0BKG23KTK

2 DisplayPort信号を混合して USB Type-C 出力を持つ拡張ボード

ようやく今回の目的地へやってきました。これは今では入手困難な一品となります。紹介するのは台湾メーカー SUNIX 社の UPA2015 。デスクトップPCにUSB-C端子を拡張するための拡張ボードは多く存在しますが、これは DisplayPort 信号をボードで混合して USB-C端子から出力する機能を持ちます。この手の製品で現在入手可能なのはこれしかありません。※現在日本では入手困難

https://www.sunix.com/en/product_detail.php?cid=1&kid=2&gid=11&pid=2146

マザーボードやグラフィックカードのDisplayPort出力端子を短いDisplayPort用のケーブルでこのカードのDisplayPort入力へ入れます。隣のUSB-C端子からの出力はDisplayPortの信号が混じったもの(DP Alt Mode)になり、ここからUSB-Cケーブル1本でモバイルモニターに接続することができます。電源容量はカタログ上は 7.5W まで対応。ロープロファイル用交換用のブラケットが付属しています。これがあれば、デスクトップPCとモバイルモニターはケーブル1本で完結することができます。※ただし、電源容量の限界で場合によりモバイモニターに別電源が必要になるかもしれません。

※この記事を書いている最中にASUSから同種で上位のバージョンをサポートする拡張ボードがあることを見つけました。100Wの電源容量は十分です。日本のAmazonでも在庫があるようです。ロープロファイルに対応していないため小型のデスクトップPCでは依然 UPA2015 が選択肢になるかもしれません。

https://www.asus.com/jp/motherboards-components/motherboards/accessories/thunderboltex-4/